1. HOME
  2. ブログ
  3. ブログ
  4. 建設業界2024年問題とは?改善策はどうなってる?

BLOG

ブログ

ブログ

建設業界2024年問題とは?改善策はどうなってる?

 

それぞれの業界に大きな影響を与えようとしている2024年問題。
建設業界も例外ではありません。
今回は、建設業界の2024年問題の内容や影響、改善策についてまとめました。

建設業界2024年問題とは?

建設業界の2024年問題とは、多くの熟練労働者が高齢化し、2024年以降に大量退職することが予想されるため、労働力不足が深刻化する問題です。
これにより、建設プロジェクトの遅延やコスト増加が懸念されており、新しい技術や若手労働者の育成も急務とされています。

建設業界2024年問題の概要
建設業界の2024年問題の概要について、もう少し深く見ていきましょう。

背景と原因
建設業界の2024年問題の背景と原因には、日本の人口構造が少子高齢化となっていること、新規参入者が少なくなっていること、新しい技術の導入が遅れていることがあげられます。
新しい労働力を確保しなくてはならないと一口に言っても、建設業界におけるイメージがその壁を高くしているということも無視できません。
根本的な原因は労働力不足によるものですので、「労働力を増やす」「生産性を上げる」このいずれか、または両方によるアプローチは必須と言えるでしょう。

労働力不足の現状
国土交通省の調査によると、建設業就業者の平均年齢は2021年時点で46.6歳と高く、他産業に比べて高齢化が顕著です。
また、建設業就業者の約30%が55歳以上であり、2024年以降の大量退職が懸念されています。

さらに、若者の建設業界への参入が減少していることも労働力不足を深刻化させています。
建設業は重労働や長時間労働が多く、労働条件が厳しいため、他の業界に比べて魅力が低いと感じられがち。
日本建設業連合会の報告によると、新規学卒者の就職先として建設業を選ぶ割合は年々減少しており、2010年代後半から2020年代前半にかけて大幅な減少が見られます。

また、外国人労働者の受け入れが進められていますが、言語や文化の壁、資格取得の難しさなどが障害となり、即戦力として活躍できるまでに時間がかかるケースが多いです。
2022年のデータによれば、建設業界で働く外国人技能実習生の数は約38,000人で、これは全体の労働力の一部に過ぎません。
外国人労働者が増加しているものの、その数だけでは不足を補うことができないのが現状です。

高齢化の影響
建設業界では、他業界と比べて高齢化が顕著で、多くの熟練労働者が退職年齢に達しています。2024年以降、大量退職が予想されるため、労働力不足が深刻化することが懸念されています。

新技術の導入の遅れ
建設業界の2024年問題の一因として、新技術の導入の遅れが挙げられます。
建設業界は他の産業と比較して技術革新が遅れており、これが労働力不足の解消を妨げています。
例えば、建設現場における自動化技術やデジタルツールの活用はまだ十分ではありません。
3Dプリンティングやドローン、AIを活用した現場管理システムなど、効率化を図る技術は存在しますが、その普及率は低いのが現状です。

この技術導入の遅れは、生産性の低下を招くだけでなく、若年層や外国人労働者の参入障壁ともなっています。
新しい技術を活用することで労働環境を改善し、魅力的な職場を提供することが重要ですが、現状ではその取り組みが不十分と言えるでしょう。

建設業界2024年問題の影響

建設業界が抱える2024年問題の影響はどのようなところに現れるのでしょうか。
ここでは、「経済への影響」「建設プロジェクトの遅延」「安全性と品質の低下」の三つの観点から解説していきます。

経済への影響
建設コストの増加は不動産市場にも影響するでしょう。
住宅や商業施設の建設費が上昇することで、物件価格が上昇し、不動産の購入や賃貸が困難になることが懸念されます。
これにより、不動産市場の活性化が妨げられ、関連する経済活動にも悪影響が広がります。
住宅購入の減少は建設関連産業や金融業界にも連鎖的な影響を及ぼす可能性があります。

建設プロジェクトの遅延
建設業界の2024年問題による労働力不足は、建設プロジェクトの遅延を引き起こす重大な要因。
多くの熟練労働者が退職する一方で、若年層の労働力が不足しているため、工事現場での作業が予定通り進まないケースが増えています。
インフラ整備プロジェクトが遅れることで、地域社会や経済活動に直接的な影響も。
道路や橋梁の建設が遅れると、交通渋滞や物流の遅延が発生し、企業の業務効率も低下するでしょう。

安全性と品質の低下
経験豊富な人材が減少し、現場での安全管理や品質管理が難しくなります。
工事現場での事故やトラブルが増加し、建物やインフラの品質が低下するリスクが高まるでしょう。
熟練労働者の技術やノウハウが継承されないままプロジェクトが進行すると、建設品質が劣化し、完成した建物やインフラの耐久性や安全性に影響を及ぼします。
施工ミスや不適切な材料の使用が発生し、建物の寿命が短くなったり、早期に補修が必要になったりすることがあります。

改善策とその取り組み


建設業界も2024年問題に改善策を打っていないわけではありません。
2024年問題に対して、どのような改善策がとられているのでしょうか。

労働力確保のための施策
人手不足の問題を解決する直接的な方法としては労働者を確保することです。
「外国人労働者の受け入れ拡大」や「若年層の育成と教育」があげられます。

外国人労働者の受け入れ拡大
多くの企業が外国人労働者の受け入れを拡大しています。
政府も技能実習生の制度を活用し、建設技能を有する外国人労働者の受け入れ枠を拡大。
これにより、国内の人手不足を補いつつ、国際的な技能の交流を促進しています。
さらに、外国人労働者への支援体制の充実も進められており、日本語教育や生活支援が提供されています。
労働者が安心して働ける環境が整いつつあり、外国人労働者の活躍は、建設業界全体の生産性向上にもよい影響を与えています。

若年層の育成と教育
若手技術者や作業員の確保と育成に力を入れており、実践的な技術教育やキャリア支援プログラムを展開しています。
例えば、現場での実践的なトレーニングに加え、最新の建設技術に関するセミナーやワークショップの定期的な開催。
若手が最新の技術や知識を身につけ、早期から業界への貢献が期待されます。
また、メンタリング制度を設けることで、経験豊富な職人から若手への技術伝承が行われ、職場でのコミュニケーションや協働を強化している企業も多数見られています。

技術革新の推進
技術革新の推進によって「生産性を上げる」という観点からのアプローチもあります。
AI・ロボティクスの導入をはじめ、建設テックの活用事例も見ていきましょう。

AI・ロボティクスの導入
AIを活用した設計ソフトウェアは、より正確で効率的な設計プロセスを実現し、コスト削減にも繋がっています。また、ロボティクス技術を用いた建設ロボットは、人間の作業員が危険な環境で作業する必要を減らし、作業現場の安全性を大幅に向上させています。
ドローンを用いた現場の監視や進捗管理も行われ、より詳細でリアルタイムなデータ収集が可能になっている事例も。
労働者の確保だけでなく、生産性も同時に上げていく方法が考えられているのです。

建設テックの活用事例


建設業界では、建設テック(Construction Technology)の進化も忘れてはいけません。
3Dプリンティング技術は、複雑な構造物を短時間かつ正確に製造することを可能にし、従来の建築方法に比べてコストと時間を削減しています。
また、ビッグデータとAIを組み合わせた解析ツールは、プロジェクトの計画段階で最適な資源配分を予測し、リスク管理を強化しています。
AR(拡張現実)を用いたビジュアライゼーション技術は、計画通りに進行しているかをリアルタイムで視覚化し、精度の高い施工を支援。
これらの技術は、建設現場の安全性向上にも貢献し、作業効率の最適化を図っています。

労働環境の改善
建設業界は安全性の向上と作業環境の快適化を進めています。
新技術の導入により、危険な作業は機械が担うようになり、作業員の健康を守る取り組みが強化されています。
ウェアラブルデバイスを用いて体調管理を行い、熱中症などのリスクを低減しているなどの例があります。

働き方改革
建設業界ではフレキシブルな勤務体系の導入や、リモートワークの可能な業務の見直しが行われています。
長時間労働の削減と労働者のワークライフバランスの改善が図られており、労働者の満足度向上を考える取り組みも。
女性や高齢者(再雇用制度の活用)も活躍しやすい職場環境の整備が進められています。

現場のデジタル化
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が広く利用されており、設計から施工、維持管理に至るまで全てのプロセスで情報を一元管理。
作業の進行状況がリアルタイムで把握でき、必要な調整が迅速に行えます。
さらに、AIによる画像認識を利用して、施工中のエラー検出や安全監視も強化されています。
ドローンを活用した現場監視も一般的になり、広範囲を短時間で確認できるため、より詳細なプロジェクト管理が可能です。

ユニティーでの取り組みについて

ユニティーでの取り組みについて、ここで紹介したいと思います。
当社は、社会が直面する2024年問題に対処するため、独自の取り組みを積極的に推進しています。

新入社員や中途採用者に対しては、経験豊富な社員がメンターとなり、指導やサポートを行うメンター制度を導入しています。

これにより、新人の育成とスムーズな組織への適応を促進し、さらに、入社後のフォロー研修やOJT(実地研修)を通じて、新入社員や中途採用者のスキルアップと安全意識の向上に取り組んでいます。

定期的な安全技術講習も行い、現場での安全対策を徹底しています。

また、60歳以上の社員に対して再雇用の機会を提供し、経験豊富な人材がチームに貢献できるよう支援しています。定年制度も廃止し、社員の能力や意欲を重視した働き方を実現しています。

性別に関係なく、積極的に女性社員を採用し、業界のジェンダーバランスの改善に努めています。女性社員の声を集め、労働環境の改善に取り組むため、女性だけの会議も開催しています。

さらに、SDGs(持続可能な開発目標)に積極的に取り組み、ヘルメットのリサイクル活用や労働環境の改善など、持続可能な社会の実現に向けた活動も行っています。

これらの取り組みを通じて、当社は2024年問題に果敢に挑み、業界の持続可能な発展に貢献していきます。

まとめと今後の展望

建設業界の今後の展望と持続可能な建設業界の実現に向けた取り組みを見ていきましょう。

現状の課題と今後の展望
建設業界は多くの課題に直面していますが、その中でも特に重要なのが労働力不足、安全性の問題、経済や環境への影響です。
技術革新は、建設業界の未来を形作る鍵。
AIやロボティクスの導入による自動化、デジタルツールの利用拡大が見込まれています。
これにより、作業効率が向上し、より安全で環境に優しい建設が可能となるでしょう。

持続可能な建設業界の実現に向けて
持続可能な建設業界の実現に向けて、環境、経済、社会の三つの側面からの取り組みが求められます。
環境への配慮として、持続可能な資材の使用、再生可能エネルギーの活用、廃材のリサイクル、温室ガス排出の削減。
経済的効率化では、AIやロボティクスの導入により建設プロセスが高速化され、コスト削減と資源の効率的な使用が可能になっています。
社会的責任の実践においては、労働者の安全と健康を保ち、多様性と包摂性を促進することで、業界全体の働きがいと持続可能な成長が促されます。
これらの側面を統合し、革新的なアプローチを取り入れることで、建設業界は持続可能な未来へと進むことができるでしょう。

 

関連記事